Q値とμ値

『エアコンに頼らすに生活したい』という要望が多くあります。
“夏涼しく、冬暖かい”
それにはQ値とμ(ミュー)値が関係すると、先日の勉強会でありました。
Q値を出して、その家の熱の逃げやすさが分かります。
これは断熱材をはじめ、使用している材料や窓の位置・大きさなどから算出します。
数値が小さい程、熱が逃げにくく室温は高く保たれるという事になります。
このQ値 2.7W/㎡K以下が次世代省エネ基準の数値です。
加賀妻でもこれを目指して設計しています。
しかし、この数値が低ければいいという訳ではありません。
数値が低いということは、熱が逃げにくいという事なので、冬は暖かくいいかもしれませんが、夏はその反対です。
昼間の熱が夜になってもなかなか逃げず、熱がこもってしまうということになります。
μ値とはすごく簡単にいうと『日射侵入量』です(簡単に言い過ぎですが…)
この数値も外壁や窓の大きさ、取付位置、屋根などの仕様から算出されます。
更には窓の日射遮蔽物(庇やカーテン、障子など)も影響してきます。
この遮蔽物はかなり重要なポイントです。
このQ値とμ値の関係で夏でも快適な環境ができるという訳ですが、
それぞれどの程度だと快適なのかはまだ研究中ということです。
現在でも、庇を付けたり、軒を出したり、風が通るような“抜け”のある空間を作ったり...
快適な生活が出来るように色々な工夫をしています。
このQ値とμ値の関係がわかると、より快適な住まいをつくる事ができるのです。
まだまだ勉強は続きます。
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風が抜けるよう、南北に窓を設る       完全な壁を作らず、引戸や格子壁にして、緩やかに空間を仕切る
m.shirota