木造住宅

木造住宅は地震に弱いというイメージがありますが、決して弱くはありません。
木材は、地震の柔軟に対応できる高い耐久性を持ってます。
地面から受ける地震の震動は建物の重さに比例するので、重い建物ほど大きく揺れます。
木材は、鉄やコンクリートに比べ曲げの力にも強いので、地震などの大きな力を受けたときも、ある程度変形しながら力を逃がすという性質があります。
このような軽くて強い木材の特徴を生かし、耐震性能を十分に考慮して構造計算・耐震補強工事した木造住宅であれば、地震にも強い住宅ができます。
<地震で大きな被害を受ける木造住宅の特徴>
・古い建物
 現在の耐震基準に満たさず、屋根などが重い建物。
・耐力壁の不足
 耐力壁が足りず、地震力に対する耐力の不足。
・バランスが悪い耐力壁の配置
 開口方向に壁がほとんど無い建物。
 車庫上に2階を設けるなど1階に大きな開口があるバランスが悪い建物。
・柱・土台の接合力不足
 柱と土台、あるいは2階の床の土台ともいえる胴差しなどの接合金物が不足している建物。
・基礎
 基礎の鉄筋の入れかたが不十分な建物。
・腐食・白蟻被害
 木材の腐朽菌や白蟻被害によって、計算上の耐力が発揮できない建物。
 木材腐食菌の発生は、雨に濡れてもそのあとすぐ乾けば、簡単に腐る事はありません。
 ずっと湿気のある状態のある状態が続くと、その箇所から木材腐朽菌が発生します。
 この木材腐朽菌が木を腐らせる原因になります。菌は次第に増殖して、水分を吸収しやすくなり、
 木材の内部深くまで入った水分は、ほとんど乾くことのなく、菌の増殖活動をより一層活性化させます。
 こうして、木材は急速に腐っていきます。
 
倒壊など大きな被害を受けた木造住宅は、昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた建物に多かったことがわかってます。各階の剛性が低かったり、平面的に壁が偏っていたり、アンバランスな構造であった事が原因だといわれてます。
しっかりと、地盤調査にもと基づいた基礎をつくり、頑丈な土台や柱、剛性の高い耐震補強壁をバランスよく組み合わせることで、木の家は大地震にも耐えることができます。
加賀妻英樹