2017年11月02日(木)

わたしの思うこれからの工務店

総務省の国勢調査によれば1995年に76万1千人いた大工人口は2010年には39万7千人に減少。現在では、大工職人の高齢化も進み50代から60代以上の大工が60%を占めているそうです。

さらに東京オリンピックが開催される2020年には21万1千人まで落ち込むと推定されています。技術の継承も危ぶまれています。このままでは家を建てようとしても、まかせられる大工職人がいなくなってしまいます。

工業化製品が進んだ結果、職人の手仕事を奪ってしまい、時間を奪ってしまいました。現場は工業化する流れが進んでいます。

大工職人の役割は、木造家屋を一棟建てるとき、その全ての采配を行う責任者であり、目配り気配りが出来て人望が厚い人。棟梁という地位でした。建築基準法が出来る前までは、建築設計士であり、現場監督であり、積算者であり経営者でもありました。

しかし、昨今の一般住宅では、部材も殆ど工場で生産され、材料の吟味や、鉋や鑿を必要としない工業製品の組立工と言っても過言ではないかもしれません。大工仕事は、ハウスメーカーや建売業者からの依頼で、大工仕事だけの手間だけを請け負う仕事へと変貌してしまい、棟梁と呼べる役割が消滅してしまいました。気配り目配りをして現場を束ねる棟梁という、責任者の意識は無くなってしまいました。親方と弟子という、修業期間の師弟制度も存在しなくなっています。企業やメーカーは職人の仕事を奪い、お金も奪い、人を育てる時間まで奪っています。

こんな状況では「本物の職人が育つ」環境ではありません。

家造りに大工職人がいなくなれば、家は建てられません。ハウスメーカーも建売業者も同じです。でも、彼らは職人を育ててはいません。販売と利益が最優先です。

工務店が、昔の流れに回帰するチャレンジをする事が、次の時代の家造りでは・・・。それが本当にお客様に喜ばれる家造りではないのか?とずっと考えてきました。

棟梁制度の復権 地位を取り戻し、時間を取り戻し、賃金を取り戻す。

自社設計で設計をして、設計が現場管理業務を兼ねる、自社で育った大工が施工を行い、現場采配を兼ねる、基礎工事職人や水道工事職人や左官工事職人や水道工事職人や電気工事職人がいつも同じ顔ぶれであれば、大きな欠陥を生むことはないと思えます。

各職人がその工務店の仕組みを理解していて実績を積めば間違えも無く、綺麗にまとめることができると思う。こんな、工務店を選ぶことが失敗しない家造りの重要な要因になって来る時代は近いと思っています。

妹尾喜浩