恒例、中学生とのふれあい今年編 コメント集

平成22年9月21日梅田中学校 「働く人のお話を聞く会」について
皆さんから頂いた質問の回答集 棟梁 加賀妻
・工務店の仕事はどんな仕事か?
衣食住のうち住まいに関する仕事(コンクリ-ト造・鉄造・木造のうち主に木造を扱う)
・工務店に働くためには資格が必要か?
資格はなくても働くことはできるが私の持つ資格(建築士・建築管理技士・技能士・インテリアコーデネーター・インテリアプランナー・マンションリフォームマネージャー・他多数)
・仕事の中で一番大変な事はなにか?
家を造る注文をもらうこと(家を始めに組み立てる上棟日・真夏や真冬の日外で働くこと)
・2階建ての家は、何ヶ月でできるか? 3~4ヶ月
様々な職業の人の合作が家です(地盤調査・設計・加工・組み立て・外装・内装・設備)
・1日何時間働くか?
目安として8時間(午前8時頃~17時頃)休憩は午前・昼・午後に取る
・建てた家の数は?
現在は会社の全総力で1年に25棟前後(私の建築経験年数は50年以上ある)
・森林伐採が広まっていますが、木の値段が高くなったりするか?
家を造る木材は伐採とその後の植林を計画的に行う人工林の木材だから乱高下はない。
・何年育った木が適しているか?
使用目的によるが柱等は60年以上の木材(1本の木から、3メートルの柱を3本取る)
・今までで一番難しい家は、どのようなものか?
過去55年の経験では難しい家と感じた記憶はないが、施工者のよかれと思う、誠意、善意がなかなか通じないお客さんは若干いるとおもいます。
・この仕事の成功例と失敗例
プロの仕事に失敗例は許されない(ありがとうと言われるよう絶えず努力あるのみ)
・家を造っていてけがをする事があるか?
高いところから落ちたり、刃物で指を切り落としたり、つぶしたり、(労働災害と言う)
・家を建てる順番
地盤調査・設計・基礎・加工・組立・屋根・外壁・内装下地・内装仕上げ・設備・器具
・この仕事で1番の喜びは何か? この仕事で重要なことは何か?
ありがとうと感謝されること  お客様が自分に求めているものを知り実現に努力する
・雨の時は何をしているか? 
雨でもぬれない仕事(室内の仕事・時には身体を休める)・家を建てる費用はいくらか? 規模によるが通常の家は2000~3000万円
・この仕事に就こうと思ったきっかけは? 貧乏で高校に行けなかったから。
・計算をして頭を使う仕事は疲れるか? 
計算設計加工はほとんどがコンピューターだから疲れは目と心にくる。
・手に器用さは必要か?
 必要なのは器用ではなく努力(機械で作業する時はけがに注意)私は不器用だった。
・弟子はいますか?
中学卒業生から、元暴走族、ものつくり大学の卒業生までいます。
(プロの大工さんになるには5年それからが本当の一生続く技術と修行の世界)
最後に中学生の皆さんに自信を持って伝えたいこと
私の歩んだ70年間の経験から確信を持って言えること、夢は必ず実現すると言う事です。
心に強く描いた夢(目標)継続した努力、忍耐、実行 そして状況判断できる冷静さを持てば描いた目標は達成できるのです。
中卒の私が描いた目標、大工の棟梁になること・会社の社長になること・料理上手な素敵な奥さんをもらうこと・子供達が素敵な旦那様に出会えること・家族が幸せに暮らせること・良い社員さんや大工さんに恵まれること・良いお客様に出会い末永くお付き合いができる事・借金のない会社を作ること・地域社会に存在を認められ頼りにされる事・健康でいられること・気がついたら全てが実現していた。
そして自慢できること・70才までに献血によって70人の命を救う手助けをした事・生涯現役で茅ヶ崎市長さんから技能功労賞を授かったこと・70才で富士山に不眠不休で登ったこと。
これからも続く未達成の目標・達成した夢の持続・生涯現役101才人のお役に立てること・