大きな窓は、景色を取り込むキャンバス。めぐる四季ごとに表情を変える住まい。

暮らし探訪vol10.Oさま邸(鎌倉市)

野趣あふれる緑の急斜面に寄り添うように佇む大野様邸。2階のリビング・ダイニングは外の木々に面して大きく開かれており、家にいるだけで自然との一体感を愉しめます。春はお花見、夏はホタル鑑賞、秋は紅葉。めぐる四季ごとに表情を変える住まいでご家族はどのような暮らしを育まれているのか。お話を伺いました。

地元をよく知る工務店を探して

大自然に寄り添う大野さんの住まいは、まるでリゾート地に建つ別荘のような雰囲気が魅力。しかし、「最初は崖を背負った立地に不安も感じていました」とご主人は話します。クセのある土地だからこそ、地元をよく知る工務店に建ててほしい。何社か検討する中で、「ここだ！」と思ったのが加賀妻工務店でした。「一度、家づくりの現場を見学させていただいたことがありました。前もって予告したわけではなく、突然の訪問だったのですが、作業場がとてもキレイに整理されていて『スゴイ！』と思ったのを覚えています。そんな印象を持ったのは加賀妻さんだけでした。大工さんをきちんと育てている感じがして、この会社となら長くお付き合いできると確信したんです」。

地元をよく知る工務店を探して

ほころびや傷も愛せる味わい深い家を

ご主人の仕事の関係で、欧州に滞在されていたというご家族。加賀妻工務店の、木の質感を活かした自然素材の家づくりも決め手のひとつだったといいます。「アンティーク家具など、古いものに愛着を感じます。自然素材は、時を経るほどに味わいを増していきますよね。ほころびや傷までも家族の歴史として愛せるような、何年経っても価値の変わらない家を建ててくれると思いました。これからわが家がどう変化していくか楽しみです」。

部屋にいても、自然の中にいるかのよう

L字に設けられたリビング・ダイニングの大きな窓は、自然の景色を取り込むキャンバス。春は外の桜が住まいを彩り、秋はシンボルツリーの紅葉が色付く様子を眺められます。「住んでから驚いたのですが、夏は何とホタルを見ることもできました。部屋にいても、自然の中で過ごしているような感じがします」。夏の高い陽射しは遮り、冬は光を取り入れるなど、季節に合わせて窓の配置も計算されています。ウッドデッキのバルコニーでは、ちゃぶ台を置いて食事をしたり、近所の友人を招いてBBQ大会を開いたり。「湘南の暮らしを思う存分満喫しています」

住まいのギャラリー

・外観：黒の杉板張りの外観がモダン。外壁やバルコニーの木はご家族みんなで塗装したそう。入口にはベンチも設けられています。
・ダイニングキッチン：大きな作業台を設けたキッチンとダイニング。キッチンの奥にはパントリーも設置しました。作業台カウンターのすぐ下はガラスを嵌め込んだディスプレイ棚になっており、お気に入りのグラスを飾っています。

・玄関：造作の収納棚を設けた奥行きのある玄関。ダウンライトに照らされた棚の上のアートがゲストをもてなします。
・階段：住まいの真ん中に階段を配置。階段下のスペースには、飾り棚と小さな手洗い場が設けられています。

・書斎スペース：ダイニングの壁を一部くり抜くようにして書斎スペースを設置。造作の棚には、かつてご家族が暮らしていたヨーロッパの小物や写真、ガイドブックなどが並べられています。
・洗面室：スッキリとまとめられた洗面室。ミラーを動かすと窓が現れ、外の風や光だけでなく、緑の借景も取り込むことができます。
子供部屋：中央で仕切ることもできる、お嬢さまふたりの部屋。個性豊かに飾っています。

[取材・撮影有限会社さくらがおか］